灸やささない鍼がはじめての方へ

灸やささない鍼がはじめての方へ|ささない鍼について

皮膚ってこんなに大切
 皮膚は常に見え、手に触れ、他人や動植物やいろいろな環境に接していて温度変化や危害から身を守るために情報を正確に受けて、速やかに中枢に伝える敏感な器官でもあります。
身近な器官の皮膚ですので我々はかえって重要視してきませんでした。
しかしスキンシップや気温差等で身体の生理・精神活動が大きく変化することが判ります。
皮膚への微弱な刺激治療は安全で手軽すぎるためにかえってその作用を認識してこなかったと云えます。
ささない鍼の役割
 更に苦痛の大きい治療刺激に我慢することがよく効くと思いがちですが、回復に必要な副交感神経を活性化させるのは快い緩やかな感触なのです。
ささない鍼はこのような原理を見極めて計画的に作られたものではありません。長い歴史の中で使われてきた用具や方法がその時に新しく作ることのできるようにといった技術等と組み合わせられて自然発生的に変化してきたものです。
体表面は常に危害から身体を守る丈夫でありながら環境には対処できる安定した器官ではありますが、触覚にも痛、熱、冷、痒や押圧その他があり、又体内の変化で変化する敏感で繊細なものです。
体表への刺激の内で押圧刺激は特に速く中枢に伝わります。
又防御の必要からか強弱に関わらず確実性が高く、高い熱さや強い痛みを与える必要がないのみかかえって弱く快い副交感神経を活性させる刺激がより有効なことがわかってきました。
このような便利な道具のささない鍼をより有効に使いこなすために、病気の種類による身体の変化や皮膚の特長等の知識を少しずつ深めてください。